あなたは、街中でのインタビューやアンケートなどで、「1分だけ時間ありますか?」や「5分だけ」や「少しだけ」という言葉を言われたことありませんか?
この「数分」や「少しの時間」というのは、心理的にすごい効果があり、交渉術でよく用いられています。
では、具体的にどんな心理状況になるのかをご紹介していきます。
日常でも使われている「1分だけ」の効果は?
日常で使われていると言われてもピンとこない人もいるかもしれませんが、少しはじめに紹介したような場面で遭遇したことがある人もいるかもしれません。
街中のアンケートではよくある戦法ですが、「1分で終わるので、簡単なアンケートに答えてください」と言われたりしたことはありませんか?
最近では、ウェブなどのアンケートでも最初に「5分ほどで終わる簡単なアンケートです」などの表記を目にしたことはありませんか?
こういった戦法や表記をするのにはある心理的な効果があるからです。
このような交渉術を心理学の用語では、「イーブン・ア・ペニー・テクニック」といわれています。
「イーブン・ア・ペニー・テクニック」とは、直訳すると「1ペニーだけでも」という意味です。
ではどんな心理テクニックなのか?
これは、極端に低い条件で交渉を始め、それ以上の成果を期待するテクニックです。
このテクニックは、最初に断られてもおかしくないお願いを交渉をすることで、本当に聞いて欲しいお願いを聞いてもらう交渉成功率を上げるという心理テクニック「ドア・イン・ザ・フェイス」とは対照的なテクニックといえます。
※「ドア・イン・ザ・フェイス」とは?「ドア・イン・ザ・フェイス」の詳細はこちら
「イーブン・ア・ペニー・テクニック」を使った実験
ある実験によると、ただ「募金をしてください」と頼むより、「1ペニー(少額)だけでも募金をお願いします」と頼んだ方が募金をしてくれる確率が飛躍的に上がりました。
しかも、実際に1ペニーしか募金してくれなかった人はほとんどいなくて、大抵の人は1ペニー以上の募金をしてくれたそうです。
この実験から分かったことは、初めの動機はなんであれ、一度引き受けると期待に応えたいと思う心理が働き、要求以上の働きをしてくれるのです。
心理テクニック「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックとも似ていますね。
※「フット・イン・ザ・ドア」とは?「フット・イン・ザ・ドア」の詳細はこちら
ビジネスでも使える交渉術!「イーブン・ア・ペニー・テクニック」
「イーブン・ア・ペニー・テクニック」は交渉術としてとても効果的で、多くのビジネスマンの方が使っています。
取引相手に「話を聞いてください!」と頼んでも、「今は忙しい」と言われたりで話しすら聞いてもらえそうにないときは仕事をしているとよくあると思います。
中には上司ですらこういった返答がくることがあるかもしれません。
そんなときに少し頼み方を変えてみてください。
記事のタイトルにもなっている「1分だけでもかまいませんので話を聞いてもらえませんか?」と頼んでみると話を聞いてくれる確率が上がります。
1分だけとは言っていますが、もし1分を過ぎてしまったとしても、ほとんどの場合で責められることはないでしょう。
このことから、話を聞いてもらえなさそうにない時は、簡単なお願いとして「1分でいいので…」などの言い方で頼んでみてください。
人に時間を取って欲しいと頼むときに「数分」や「少しの時間」と頼むよりも具体的な少ない数字を提示する方がより効果的です。
その方が短時間をよりイメージしやすくなるからです。
要求が高いお願いは簡単に断られてしまうため、最初の頼み事は、受け入れやすさを第一に考えましょう。
感想・まとめ
感想
今回ご紹介した「イーブン・ア・ペニー・テクニック」は私も実際に使うことがよくありますが、とても効果的です。
逆にこのテクニックを使われることがありますが、仮に「1分だけ」と言われていて、10分を過ぎてしまっていたとしても、正直そこまで嫌な気はしません。
それとこのテクニックで自分が考えたことは、もし友達に「お金貸して!」と突然言われた場合、まず身構えてしまいます。
そしてそれが高い金額だった場合、余計に貸そうとすら思えないと思います。
「1円でいいからお金貸して」と言われたり、レジを前にして「あと1円足りないから1円もらってもいい?」と言われた場合、自分が持っていれば、そこまで抵抗なく貸す人も多いのではないでしょうか?
このようにもしその時に5円玉や10円玉しか持ってなかった場合は10円でもあげてしまう人も少なくはないでしょう。
このテクニックはうまく使えば本当に効果的だと思うので、ぜひ試してみてください。
まとめ
「イーブン・ア・ペニー・テクニック」とは、小さなお願いでイエスを引き出すテクニック
要求が高い場合は簡単に断られてしまう。
要求が低いほど、引き受けてもらうのは簡単。
さらに人は、極端に低い要求に対してはそれ以上に応えようとする。
「乗りかかった船」という言葉があるように、要求以上の働きが期待できる。
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