タイトルだけ見ると、真逆なことを言っていて、よく意味が分からないかもしれません。
それに「忘れてくれ」という言葉を聞いた時、マイナスなイメージを持ったり、恋愛などでの別れの言葉を連想する人もいるかと思います。
ですが、「忘れてくれ」という表現には有効な使い道がいろいろな場面であります。
部下が仕事を失敗したとき、あなたはどんなふうに声かけをしますか?
叱りつけますか?それとも何も言わなず行動で示しますか?
そんな時にも有効的な心理術があるので、ご紹介していきます。
リラックスすると記憶力が向上する!?
まずはじめに「忘れてくれ」の心理的効果を紹介する前に記憶力が向上する方法をご紹介します。
仕事などで、「気を付けてくれ」と何度注意しても、部下が同じミスを何度も繰り返すことはありませんか?
自分の場合でも「やってはいけない」と注意していたのに何度もミスをする・・・。
こうした時には、「失敗してもいいから、とにかくやってみる」という感覚でリラックスして取り組むようにしてみてください。
そうすることで記憶力は向上していきます。
ほどよいプレッシャーは作業効率にも記憶力にも好影響を与えますが、過度なプレッシャーがかかると、首や肩のあたりが重く感じられることがあります。
それは筋肉が緊張状態になり、硬直してしまっていることが原因です。
プレッシャーは記憶力だけでなく身体的なパフォーマンスにも悪影響を与えてしまいます。
「忘れてくれ」の効果的な使い方
心理学者のシンバロの実験
心理学者のシンバロという心理学者の実験によると、大学生をAグループとBグループの2つのグループに分け、単語を記憶させる実験を行いました。
Aグループには「きちんと覚えるように」と声かけをし、Bグループには「忘れてくれていい」と声かけをしました。
その結果、「きちんと覚えるように」と声をかけられたAグループの実験参加者よりも「忘れてくれていいから」と声をかけた参加者の方がより多く記憶することができました。
Aグループは60.6%、Bグループは64.8%の単語を記憶できていたそうです。
この実験から、人はプレッシャーを与えられるよりもプレッシャーがない時の方が記憶力が上がることが証明されました。
相手に期待するなら注意ではなく信頼を!
ミスしたあとに、また同じことを繰り返すのでは・・・という不安から「気を付けてくれよ」とクギを刺したい気持ちをグッとこらえて、「忘れてくれていいけど」と言葉をかけリラックスさせることで、方の力を抜いて実力を発揮できる可能性が上がるはずです。
まずは「忘れてくれていいけど」と言える信頼関係を築けるようにする必要があります。
信頼関係ができれば、注意ではなく「忘れてくれてもいいよ」などの声かけができるようになります。
部下に叱ることが少なくなると、部下から不満を持たれることも少なくなり、さらなる信頼関係を築くことができるため、好循環になります。
叱ることが必ずしもダメとは思いませんが、もし2~3割ぐらい叱ったら、7~8割褒めるまたは諭すようにしましょう。
恋愛における「忘れてくれ」は?
恋愛で別れる際に「忘れてくれ」と言ったことや言われたことはありますか?
恋愛においても同じようなことがあります。
恋愛においてはリラックスの状態とは違いますが、「忘れてくれ」と言われたにも関わらず、なかなか忘れられない人となってしまった経験はありませんか?
これも似たような状況です。
この効果には、浦島太郎が玉手箱を開けてしまった話のように、「~してはいけない」と言われると逆にしてしまいたくなる心理効果も含まれていますが、こちらの効果はまた別の記事にてご紹介できたらと思います。
感想・まとめ
感想
もし部下がミスをした場合、「気をつけろ!」や「どうしてこんなことができないんだ!」と叱りつける人が多い気がしますが、シンバロの実験を思い返し、言いたい気持ちをこらえて、相手をリラックスさせてあげる器の大きい大人になれたらと思います。
最近、パワハラやモラハラなどの言葉がよく飛び交っていますが、こんな世の中だからこそ、「叱る」よりも「諭す」気持ちを持ち続けられたらと思いました。
まとめ
・部下が失敗した際、「気をつけろ!」と叱るよりも「忘れてくれてもいいよ」と言った方がミスは減る傾向にある。
・リラックスしている時の方が記憶力が向上する!
・心理学者シンバロの実験によるとリラックスさせてあげるだけで、5%近く記憶力は上がる。
格言:相手に期待するなら注意ではなく信頼を!
※心理学的にはこのような傾向があったり、上記のように思われる可能性があるというだけで、必ずしもこの性格と断言したものではありません。
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